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ソシャゲしかしないニートの話

【映画】独断と偏見の2020年映画ベスト10【外国映画】

はいこっちは外国映画版です。

邦画のほう同様、順不同、主観128%です。

 

ベスト10

象は静かに座っている

 厳密には2019年公開映画なのですが、あくまで自分が昨年見た新作のベストということなので。

娯楽性がない上に4時間弱という長尺ということでかなり人を選ぶ作品だとは思うのですが、映像の「語らなさ」が絶妙で一時たりとも気が抜けませんでした。やたらと低い被写界深度、音だけ、登場人物の顔のアップだけ、といったシーンの多さ……そういった要素が演出なのだと気づいた瞬間、僕はスクリーンの前の観客ではなくあの灰色の街の住民にさせられたんですよね。どんな4DX映画よりも「実存感」がありました。

 

パラサイト 半地下の家族

 いまさら僕が語ることある?

とにかく上手「すぎる」作品でしっかりとした時事性やテーマ性を土台に据えながらもそれを説教臭く感じさせない軽やかなエンタメ性で彩ってあってまるで精密機械の内部を覗いたかのよう。カットのリズム感が好きですねぇ。

 

キャッツ

 

主観128%です(念押し)

世間ではもはや大喜利大会の体を成すほどの酷評っぷりでしたが僕は好きです。あれだけの豪華キャストに実力派スタッフが揃って出来たのがこんなヘンテコな映像だっていう時点で愛おしい。個人的なイチオシポイントは柱に頬をスリスリするイアン・マッケランです。

 

ナイブズ・アウト

 ともすればありきたりと言われかねない「富豪の怪死事件」「怪しい親類」「洋館」「名探偵」といったコッテコテな設定を恐れず挑戦する勇気よ。

見ていて退屈な瞬間がなく、それでいて展開に置いていかれるということもない情報量の調整が絶妙。クリスティ愛あふれる佳作。

 

 

黒い司法

 「俺たち黒人は生まれながらにして有罪だ」や死刑直前の身辺整理で「こんなにも誰かに気を使ってもらったのは生まれて初めてだ」などのセリフが重い作品。明らかな冤罪の事実を前にしても死刑宣告を変えない判事に対してこそ真摯に対応し恩寵(MERCY)を望む主人公の誠実さに心を打たれた。死刑制度の是非について考えさせられました。

 

ミッドサマー (ディレクターズ・カット版)

 ちんちん!!ちんちんですよ!!無修正の!!ちんちん!!!!

 半分くらい本気の冗談はさておきR15+版ではカットされていた夜の儀式のシーンなんか、あるとないじゃ後半の理解度がまるで違ってくるのでR18版がおすすめです。

原義としてのメルヒェンってゾッとするほど素敵ですよね。

 

TENET

 

 ノーランって大画面でデエェェェンって言わせときゃいいくらいに思ってるよな。ご時世柄、大作映画は延期延期の1年でしたがそんな中で公開してくれたってだけでノーランに足を向けて眠れません。

IMAXで一番座席が響いてたのがエンドクレジットなのには笑ってしまったけどな。

 

ようこそ映画音響の世界へ

 こちらも劇場ならではの体験ができた作品。なかなかスポットの当たることがない効果音や編集面でのエピソードには感心すること多数。初期の西部劇で銃声音が使い回されていたとは…

映画の体験に「音響」というレイヤーが1枚追加されることでこれから見る作品がもっと楽しく、今まで見た映画も新鮮に感じられます。

 

羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)

世界的にはカットアウトアニメーションや3DCGが主流ですがセルアニメだってすごいぞとなる作品。ちょっとした動きや演出、アクションに至るまで溢れんばかりの日本「アニメ」への愛とリスペクトが詰まってて見ていて嬉しくなる。海を超えた「アニメ」は今後どう進化していくんだろうか。

「画」が「動」くってこんなにも楽しく興奮するんだって再確認することが出来ました。

 

リトル・ジョー

 Happiness Is A Business... Happiness Is A Business...

言ってしまえばゾンビものなんだけれど、感染しているのかどうかの判別が極めて難しいので独特のテンポ感と合わさって知らぬ間にズブズブと沼に沈むかのような映画。どこか非現実的な施設内の造形や謎の雅楽の音も相まって形容しがたい不気味さ。

 あとイギリス人ってホントにマーマイト食べるんですね。

 

総括

大体書きたいことは邦画版のほうで書いた気がするんですけれども、洋画に関してはやはり新型コロナの影響は大きかったですね。ハリウッド大作系は軒並み延期してしまったので例年よりもアクの強い小規模映画が多かった気がします。

個人的には中国映画のポテンシャルに驚いた年でした。ベスト10にこそ選出しませんでしたが「鵞鳥湖の夜」もノワールな風味たっぷりで好き。

 

2020年洋画鑑賞本数 42作(うち旧作1作)