劇場版「メイドインアビス 深き魂の黎明」はどこがR15+なのかを考える
メイドインアビス見てますか?
僕は劇場版の公開まで1週間をきり「もういくつ寝ると…」と歌う日々を過ごしています。
そんなある日、映画の公開に先立ってこのようなツイートがされました。
劇場版「メイドインアビス 深き魂の黎明」につきましてPG12と告知しておりましたが、検定の結果、鑑賞区分は【R15+】となりました。
— アニメ「メイドインアビス」公式 (@miabyss_anime) 2019年12月25日
15歳未満のお客様はご鑑賞頂く事ができなくなり申し訳ございません。15歳未満のお客様には、ご希望の場合前売券代金を返金させて頂きます。 https://t.co/ge8GiP1Ob1
そうレーティングの引き上げ。総集編後編がPG12だったこともあり劇場版も同じ区分になる予定だったようですが、直前になって「やっぱあかんわ」と映画倫理機構(以下映倫)からお達しがあったとのこと。
そこで今回は「劇場版メイドインアビスがR15+になった原因」を考えていきます。
そもそも映倫規定とはなんぞや
まずはそもそもどのような基準でレーティングが決まっているのかを調べました。流石に映倫が何なのかくらいはググってもらうとして、現行のレーティングの区分としては規制がゆるい順にG、PG12、R15+、R18+の4種類があります。
劇場版メイドインアビスが区分けされたのはR15+。2番めに重く、15歳未満は閲覧禁止という扱いです。映倫の資料を引用させていただくと以下のような説明がされています。
この区分の映画は、主題や題材の描写の刺激が強く、15 歳未満の年少者には、
理解力や判断力の面で不向きな内容が含まれている。従って、15 歳以上の観客を
対象とし、15 歳未満は観覧禁止とする。
https://www.eirin.jp/img/4ratings.pdf
具体的に何がだめなのかは演出なども加味されるため一概には決められないという理由もあるっぽいのですが、まぁふわっとしてますね。
で、こちらもまたまた映倫からなのですが映画倫理綱領という資料が出ておりましてレーティングに関わってそうな部分を抜粋すると以下の4つに大別されているようです。
(1)性表現 ― 性行為にかかわる表現は、観客に限度を超える性的刺激を与えないよう留意する。未成年者の性行為や性的裸体描写には特に留意する。
(2)暴力表現 ― 人命を尊重し、過度に刺激的な残酷描写は避け、詳細な殺傷描写はしない。観客にいたずらに恐怖感、嫌悪感を与えないよう留意する。
(3)犯罪表現 ― 犯罪を肯定したり犯罪者を英雄扱いしたりしないよう留意する。凶悪な犯罪や非合法の賭博など反社会的な行為を扱うとき、模倣、誘引となる描き方は避ける。未成年者や社会的弱者にかかわる犯罪の描写は最小限にとどめ、殺人、売買春などを美化、正当化するような描写は行なわない。
(4)薬物の扱い ― 麻薬や覚醒剤など薬物に関わる描写は控えめにし、肯定的ないし魅力的に取り扱わないよう留意する。薬物などの非合法な取り扱いに関する詳細な描写は行わない。
https://eirin.jp/img/code_of_ethics2017.pdf
実際にアウトな箇所を探してみる
ざっくりとですがR15+に指定されるためには性表現、暴力表現、犯罪表現、薬物使用の描写などが当てはまることがわかりました。
じゃあ改めて今回の劇場版メイドインアビスの原作部分となるコミック メイドインアビス4巻5巻を前述の4つのポイントに着目して読み返していきましょう。
※※注意 ガッツリネタバレしてます。原作未読派の方々はすぐブラバしてアマゾンでポチって来てください※※
1. 性表現
界隈に衝撃を与えたシーン。ちんちんはアウトでしょ
プルシュカの回想シーンから。しれっと乳首券発行してるんですよね。
2. 暴力表現
暴力表現は軽い描写まで上げてくときりがないのでキツめのやつを
苗床化はアウト
欠損表現は間違いなくアウトです
これグレースケールだとそんなですけれど内臓が溶け出してるわけでカラーになるとエグそう
「ドブチッ」はアウトな音
間接的表現とはいえ人体の解体描写ですからアウト
こういうねっちょりした表現はアウト
3. 犯罪表現
言わずもがな
ここが書きたかっただけの記事です
4. 薬物の使用
上に同じく
結論
なんでこれがPG12でいけると思ったの?
R15+になってでも表現したかったもの…楽しみですよね…
コラム: 過去の例を見てみよう
映倫のHPに行くと2009年以降の審査済みの作品とそのレーティング指定理由を見ることが出来ます。自分でも調べて驚いたのですがアニメ映画でR15+って殆どないんですね。大抵はPG12止まりでR15+指定されているものは映倫のHPから見ることのできる2009年以降の作品ではOVAの劇場公開などを除いて以下の4作のみでした。
今作はまだ掲載されていませんがこのメンツに並ぶことになるわけですね。
https://www.eirin.jp/index.php
タイトル | 指定理由 |
---|---|
Walking Meat | 刺激の強い肉体損壊および屍肉食の描写 |
虐殺器官 | 刺激の強い銃器による殺傷・流血並びに肉体損壊の描写 |
劇場版 PSYCHO-PASS | 刺激の強い殺傷・肉体損壊の描写 |
ベルセルク 黄金時代篇III 降臨 | 刺激の強い肉体損壊と性愛描写 |