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【映画】劇場版 鬼滅の刃 無限列車編を見ました

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https://kimetsu.com/anime/

 

『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』を見ました。

原作既読、アニメ挫折

 

まずなんといっても作画のクオリティ。結構アクの強いキャラデザにも関わらず写実的な背景に上手く溶け込んでいるし、技の特徴的なエフェクトもかっこいい。3DCGをかなり積極的に利用しながらも、キャラクターがそれに負けないくらいヌルヌルと動くのですごいなと感心。

 

物語としては鬼滅の刃という作品全体に言えることだけれど対立構図からのドラマチックなストーリーがいいですね。単体として完成されている鬼に対して、多くの人が命を賭して意思を継いでいく鬼殺隊。相反する信条の対立が見せるシンプルながらも熱い構成はこのころから顕著だったんだなと。

ただ欠点もあって全体的なテンポの悪さ。原作通りといえばそれまでなんだけれど、夢に落ちた場面では炭治郎と煉獄さんだけでいい部分を善逸と伊之助の二人のぶんも丁寧にやるせいでストーリーの流れが淀んでる印象。煉獄さんが死んだことが知れ渡るシーンも残った柱8人+お館様それぞれの反応を見せてくるせいでせっかくの感動シーンの余韻が冷めてしまう。もちろんそういった誰一人として取りこぼさない作風が受けているのだとは知っているけれどもこの点に関しては完全にNotForMe。

 

しかしながら、そういった欠点を補って余りあるのがアクションシーンのカッコよさ。静と動のメリハリの効いた各種の呼吸や、グリングリンと動き回るカメラの中で縦横無尽に動き回る炭治郎と伊之助など見応え抜群で手に汗握った。

そしてなんといっても終盤の煉獄VS猗窩座戦。人間と鬼、刀術と武術といったそれぞれの特徴を生かした戦闘スタイルの対比が見事だった。作中でも語られているように明らかに炭治郎らよりも格上同士の戦闘だということが伝わる説得力。

石田彰による猗窩座も、カヲルくん的なパブリックイメージとはかけ離れた演技で新鮮だった。それでいて煉獄さんを鬼に勧誘する場面では強さというものに固執する猗窩座のバックボーンを感じさせるような、わずかに甘い声色でさすがの大ベテラン。

 

総じて前評判に負けないくらいの圧巻のクオリティで楽しかったです。今後どうメディア展開していくのかは分からないけれど、早くアニメでも玉壺とか童磨が見たいなぁ。

 

余談: 今作は間違いなく今年度映画でもトップの公開規模な割にほとんど初見への配慮がなくてびっくりした。あれやられちゃうと萎えてしまうのでいいんだけれど、これだけの規模の作品でありながらアニメ、もしくは原作の視聴を前提とした作品作りができるのは流石社会現象だなと。