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ソシャゲしかしないニートの話

【映画】独断と偏見の2020年映画ベスト10【邦画】

サボりにサボってようやく書くことにしました。

昨年同様、順不同、主観128%です。

 

ベスト10

劇場版メイドインアビス 深き魂の黎明

 個人的にはやはり外せず。

かつて無いアニメ豊作の年でありヴァイオレット・エヴァーガーデンジョゼと虎と魚たちを押しのけてメイドインアビスが入った理由とは……ファンだからですね。今までと打って変わった5層の寒々とした景色やイドフロントの無骨さ、そして何より圧倒的存在感のボンドルド。エンドクレジットのForever Lostがこれまた素晴らしくてですね。

 

前田建設ファンタジー営業部

 

とにかく熱くて笑えて楽しい作品なんですけれども、こちらもエンドクレジットの映像が印象的。You Tubeにもアップされているんですけれども、飽きさせない作りの凝った映像になっているんですね。それだけなら割とよくある演出なんですけど主要キャストやメインスタッフのみならず制作スタッフの最後の一人までこの凝った映像が徹底されているのがすごく良いんです。スタッフの誰一人として欠かすことの出来ない存在なんだぜっていうのが作品テーマともマッチしていて、「あぁ、いい映画を見たなぁ」と満足感を感じられました。

 

初恋

 

ベッキー染谷将太です。この映画はベッキー染谷将太なしには語れません。

インパクト抜群の人物造形と遠慮なしのバイオレンス、かと思えば電車での逃避シーンのようないぢましくも切ない場面など取り上げたい要素は数限りなくありますが、もう何をおいてもこの二人です。失礼ながらここまでベッキーがハマると思ってなかったし、染谷将太も序盤のカマセっぽさが嘘のような後半の覚醒が最高でした。

この俳優はすげーぞと密かに思っていたら麒麟の信長役で一気に有名になりましたね。いいことだ。

 

許された子どもたち

 短文感想でも述べてますがこの映画の縁の下の力持ち的存在は音響スタッフの方々ではないでしょうか。アクション映画のような「ドカッ」「バキッ」といった小地味良い音ではない「ドチュ」「ズチュ」というような暴打音はスクリーンを超えて真に迫ってくる物がありましたし、否でも応でも作中の薄暗い絶望に取り込まれていく感覚がしました。

ストーリー的にもラストはそう締めるかと。本当に最後までスッキリさせてくれない…

 

アルプススタンドのはしの方

 

イオンシネマのフリーパスでジブリの上映の隙間にやってたから見たんですが、鑑賞後からもう一回見たい!と即座に思った映画はなかなかないです。実際ゲド戦記やめて2回目見ました

 ワンシチュエーションの会話劇でありながらも緻密に構成された脚本にもう釘付けです。映画自体は「はしの方」がメインではあるんですが、だからといってスタンドの中心にいる人達のことも忘れないひっそりと、しかし効果的な演出が見事に自分に刺さりました。

 

青くて痛くて脆い

 アルプススタンドのはしの方が青春の素晴らしい部分だとしたら、こちらはその裏返しとなる醜い部分とでもいいましょうか。僕みたいに大学生活をソシャゲと惰眠とオナニーのオカズ探しに浪費した人間には非常に辛いものがある作品です。あーいやだいやだ。

また吉沢亮が絶妙に気持ち悪いんですよね。顔は整っているのに髪型服装や行動が見事に「陰キャ」のそれで役者だなぁと。

 

事故物件 怖い間取り

 ハリーポッターと秘密の事故物件

 か弱い女の子なので普段ホラーは見ないんですが、事故物件ではきちんと予兆があるので安心して楽しめました(ホラーとは) こちらも亀梨和也のビジュアルが絶妙でちっとも格好良くないんですよね。これベスト10に選ぶか!?みたいな葛藤はあったんですが、ラストの展開も相まって愛すべきポンコツ映画みたいな枠ということでひとつ。

 

はりぼて

 ちょうど広島で河井議員の不正問題が取り沙汰されていたタイミングで見た作品ということもあって印象的だったので選出。

マスメディアというものの本質を描いているドキュメンタリーだけにもっとヒロイックな構成にも出来ただろうに、ここまでゆるい演出で見せてくるのは新鮮でした。相次ぐ不正への怒りを別の感情として消化できるのは映画の強みですねぇ。

 

魔女見習いをさがして

コレ何度も言われてると思いますけどおジャ魔女カーニバルをああやって使うの反則じゃないですか?

おジャ魔女どれみの系譜でありながらもおジャ魔女を見て育った女性たちが主人公というメタ的な構造に驚き、またそれがうまく機能していて感心しました。

広島県民としては百田夏菜子尾道(広島市の方とはまた微妙にイントネーションが違うんです)が非常にナチュラルだったのも良かったですね。この世界の片隅には祖母の世代の訛り方だったんですけどこちらは親世代くらいの身近さで。

 

朝が来る

 エンドクレジット後のあのセリフが全てです。

ぶっちゃけると鑑賞中は丁寧な作りだとは思いつつも、どこか軸の見えないふわふわした感じでいたんですけど、主題歌のアサトヒカリがそれらすべてをギュッとまとめ上げてそして止めにラストのセリフですよ。冗長じゃないかとすら思えた丁寧さがすべて一つ一つ愛おしく拾い上げられました。

蒔田彩珠さんは星の子でも主人公の姉の役をやっていて上手いなと思っていたので今後に注目したいと思います。

 

特別枠

もののけ姫

 旧作なんですけれどどうしても語りたくて特別枠ということで選出。

といってもTwitterでの感想に集約されているんですがやはり映画は映画館で見てこそ真価を発揮するものなのだと再確認することが出来た作品になりました。セリフを諳んじれるほど見た作品だけに、音響が違うだけでこれほどまでに世界の「深度」が違うものかと。

旧作公開はコロナ禍での新作公開中止が相次ぐ中での苦肉の策ではあったんでしょうが劇場で見ることの出来なかった作品を鑑賞できたのは非常に嬉しかったです。

総括

なんか毎年言ってるような気もしますが豊作でしたね。こうして見返してみるとアルプススタンドのはしの方や朝が来るなんかの人の苦悩も喜びもまるっとすくい上げてくれるような作品が好きなんだなと思いました。選出した作品の他にも演出面で頭一つ抜けていたヴァイオレット・エヴァーガーデンや映像に心奪われたスパイの妻などもあり楽しい1年でした。

鑑賞環境の話としてはやはり夏場に実施されたイオンシネマのワンデーフリーパスの影響が大きいかと。普段なら絶対に見ないような作品だからこそどこに自分にぶっ刺さる作品が潜んでいるのか分からないわけで、そういった作品の鑑賞へのハードルを下げまくってくれたことに感謝しています。だから定期的にやって

洋画のベストの方も気が向いたら書きます。

 

2020年邦画鑑賞本数 52作(うち旧作4本)