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脳という有能マスタリングエンジニア【片耳難聴になっての気づき】

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現在進行系なのですが昨夜から左耳の耳鳴りが酷くほとんど周囲の音が聞こえないため、かかりつけ医にかかったところ突発性難聴 と診断されました。

右耳は問題なく聞ける上、突発性難聴の症状とされるめまいや吐き気等は無いので周りが騒ぐほど苦労はしていないのですが、これだけ長期間片耳が聞こえない状況というのは経験がなく、いろいろと気づくことがあったのでそのうちの一つを備忘録として文章に残そうかと思います。

 

話し声が聞き取れない

まず我々は普段周囲の音をそのまま聞いていると思いがちですが、実はそうではないんですよね。有名なところにカクテルパーティー効果という心理学用語があるんですが、パーティ会場のような様々な音が発生している場所でも人間は話したい人の声をしっかりと聞き取ることができるというものです。

つまりここから分かるのは、我々が普段「周囲の音」として認識しているものは鼓膜から得た振動を脳内で求める形にマスタリングしたものということなんです。なぜそのようなことが可能かというと、聞き取りたい音を周波数帯や音の強弱、音源の位置、視覚情報などから判別し、混然とした音の合成波をフィルターしてるんですね。

 

で、本題に入るんですけれども片耳難聴になったとき、このカクテルパーティー効果が機能しない、もしくは著しく効果が低減している経験をしました。ちょうど今日の夕食時の話なんですが、リビングで家族で会話しているとき、下の図のような感じだったんですね。

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机を挟んで向かい側に妹と母親、こちら側には父親と自分がいて、ちょっと離れたところにテレビがある。妹と父親は共通の話題で話していて、テレビでは野球中継が流れている。そういった場面で自分が母親の話を聞こうとした時、問題ない右耳側で聞いているにもかかわらず母親が何を言っているのか全然聞き取れなかったんです。

正確には母親の声自体は聞こえるけれどもそれ以外の音が大きすぎて文章として聞き取れないという状況ですね。カクテルパーティー効果というものは理屈としては知っていても実際にこうやって体験すると驚きました。

仮にこの場の元の音量を数字で表して、妹の声:10 父親の声:10 母親の声:7 テレビの音:5とすると、我々の脳はこの内聞き取りたい母親の声の周波数帯を底上げし、それ以外の音をカットして妹の声:5 父親の声:5 母親の声:10 :テレビの音:3くらいにしているんだと思います。しかし片耳の聴力がない状態では左右の耳での音声の差異で目的の音源の位置が特定できず、結果として正常な処理が脳内で行えないため、元の音量のまま知覚することで母親の声がかき消されてしまうんですね。

 

片耳が問題なく聞こえるなら私生活に問題はないだろうと思っていたのですが、まさかこういった苦労があるというのは(言葉はあれですが)新鮮でした。そして改めて脳というのは音という要素一つとっても、我々が知覚できないレベルで高度な処理を行っているということですね。さながら優秀なマスタリングエンジニアのように日夜音の洪水の中から望む最適な音量バランスを実現してくれているということが知れたのは僥倖でした。また、両耳での音の差異で音源の位置を特定できるように、自分が思っていた以上に人体の耳という構造は指向性の高い作りをしているんだなと実感しました。

 

私は元気です

まだ薬を飲み始めて1日もたっていないため、この症状が改善するのか、もしくはこのままなのか分かりませんが、とりあえず今のところはこうやって経験を文章にできるくらいには余裕があるのでのんびり経過を観察していきたいなと思います。

 

ところで突発性難聴の原因の一つにストレスがあるらしいんですが、悠々自適ニート生活している自分がなぜ発症したのかは謎です。ニートの自分がストレスで発症したのなら世の社畜の方々は皆完全失聴してもおかしくないのでは?